セカンドオピニオン(二次診療) (2008/4/28)
最近は、獣医さんの間でも、「セカンドオピニオン(二次診療)」の重要性が言われるようになってきました。
少し前までは、別の獣医さんで診てきた子に対しては、快く診てくれないこともあったのですが、最近は、そうでもなくなってきています。
人間の医療の場合は、色々な分野で分かれていますが、獣医さんの場合は、内科も外科も、胃腸も心臓も、全て一人の獣医さんが診ますので、どうしても、得意・不得意があり、どんなに良い獣医さんでも、一人の獣医さんの診断が、必ず"正しい"とは言い切れません。
もちろん、全く同じ診断になることもありますが、別の視点で、別の診療を受けることで、正しい対処が見えてくることもあります。
その場合、「セカンドオピニオン」ということをハッキリと伝えてから診てもらうことが大切です。
そうすれば、獣医さんも、前の獣医さんでは見逃していないかどうか、通常以上に、慎重な診療になりますので、より詳しい状況が分かってきます。
1ヶ月程前の出来事ですが、"馬の食道"のおやつを食べていた子が、よく噛まずに飲み込んでしまい、喉に詰まらせてしまいました。
最初は、激しく咳き込んだりして、何とか出そうとしていましたが、そのうちに落ち着いてきたので、上手く飲み込めたのか、と思い、そのまま様子を見ることにしました。
次の日、元気がなく、フードやおやつも食べようとしなかったので、心配になり、獣医さんで診てもらいました。
診断結果は、「レントゲンには何も写っていないので、喉には詰まっていない。多分、炎症を起こしているのでしょう」、ということで、抗生剤を処方してもらい、そのまま帰ってきました。
その次の日も様子は変わらなかったのですが、それでも、「喉には残っていない」ということでしたし、喉の炎症が治まれば、"元気になる"と信じていました。
それが、回復するどころか、苦しそうに呼吸し始めたので、同じ獣医さんに診て貰おうとしたのですが、休診日で、電話も留守番電話になっていたので、留守番電話に症状を説明し、その後、別の動物病院で、診てもらいました。
その病院で、念のためにレントゲンを撮ったところ、「肺の辺りに異物が写っている。詰まったままになっていて、気管支炎を起こし、そのことが原因で、肺水腫を引き起こしている。いつ息が止まってもおかしくない。」という診断結果でした。緊急の容態になっているということだったので、急遽入院させました。
その子は、その日のうちに、病院で亡くなりました・・・。
もし、最初に診てもらった後、症状の改善がなかった時点で、セカンドオピニオンを受けていたとしても、どうなったかは分かりませんが、少なくとも、肺水腫までは起こしていなかったはずです。
最初の獣医さんでは、喉に詰まったのが骨などではなかったために、レントゲンでは、確認しにくかったということと、その子の様子、態度を見て、「喉には詰まっていない」と判断したんだと思います。
その後、その獣医さんからは、留守番電話の返事もないままです。
また、セカンドオピニオンを受けたのにもかかわらず、残念な結果になった子がいます。
最初に診療した獣医さんの対応が原因で、深刻な状況になってしまい、関西では、最も最先端医療を取り入れている病院(近郊の開業獣医師の出資で設立した病院)で、緊急で診てもらいましたが、「最初の対応は間違っていない」、「最高水準の獣医さんなので、診療ミスはありえない」というだけで、特に治療はしないままで返されました。
実際には、誰が見ても医療ミスがあり、深刻な状態なのにもかかわらずです。
その後、最初に診療を受けた動物病院がその最先端医療の病院に出資していたことが分かりました。
2件の病院で見捨てられ、別の動物病院で診てもらったところ、「最初の治療が無茶苦茶で、何がどうなっているのかも分からない状態になっている」、ということで、別の医療機関で、詳しい検査を受けました。
元々は、「ウンチが出にくい」だけだった、その子は、骨粗しょう症、骨肉腫、感染症、神経麻痺、リンパ腫、などと、内臓器がメチャクチャになった状態で、毎日、苦しい治療を受けていましたが、結局、苦しみだけの長い生活のあと、一度も回復することなく亡くなってしまいました。
人間同士のしがらみや、利害関係は、どんな形であってもなくならないんでしょうか。
話が反れましたが、同じ症状でも獣医さんによって診断が全く違ったり、正反対の治療をしたり、といったことが多くあります。
特に、重大な診療を受けるときには、1件の獣医さんの診断だけで判断せずに、別の獣医さんの診療を受けることが、とても重要なことです。
ただし、全く利害関係のない獣医さんで診てもらうことが必要です。
何にしても、"セカンドオピニオン"、頭に入れておいてください。
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