狂犬病ワクチンについて (2007/1/8)
狂犬病は、特効薬や有効な治療法もなく、発症してしまうと、死亡率は、ほぼ100%と言われている怖い病気です。
日本では、ワクチン接種によって、ウィルスを完全に根絶できていますが、海外では、狂犬病発症地域の方が、発症していない地域よりも多く、今後、日本でも発生してしまう可能性もないとは言えないのが現状です。
実際に、去年、海外で狂犬病に感染した犬に噛まれて、帰国後、亡くなってしまった人が二人もいました。
日本での発病は、36年ぶりだそうです。
そのこともあって、最近、特に狂犬病ワクチンを盛んに奨めているようです。
ワクチン自体についての副作用としては、公の発表では、「以前のワクチンは、脳障害が起こったりすることもあったが、今のワクチンでは、そんな心配はありません」と言うだけで、脳障害以外の副作用については、あまり触れられていないように思います。
実際には、伝染病予防の混合ワクチンよりも怖いワクチンで、毎年の死亡例も混合ワクチンよりも多いようです。
海外に目を向けてみると、アメリカでは、3年に1度の義務付け、イギリスの場合は、自由(どちらでも良い)、オーストラリアや、ニュージーランドなどでは、ワクチン接種を禁止しています。
これは、日本と同じように、島国、または半島で、完全に根絶できていることから、犬だけに負担をかけるような対策よりも、ウィルスそのものを入れないことに重点を置いた政策をとっているということです。
反面、中国では、狂犬病で亡くなる人が毎年多くいて、北京オリンピック開催のこともあって、狂犬病対策として、全ての犬を殺処分したようです。
国によってこれだけの違いがあるのは、動物に対する意識の違いでしょうか?
オーストラリアなどの国では、人間もその他の動物も同じ生き物であり、人間が一番知能が優れているというだけで、人間のために、動物を犠牲にするなどという考えはありません。
一方では、人間が最も重要な生き物で、そのためには、他の動物が犠牲になるのは仕方のないことだ、というような考え方もあります。
良い悪いは別にして、日本は、法律的には、犬や猫などの動物は、未だに物扱いですし、その他の色々な状況を見ても、後者の考え方ですね。
中国やフィリピンなどのアジア諸国では、犬からの感染が最も多く、"狂犬病イコール犬"と考えがちですが、アメリカやヨーロッパなどでは、アライグマや、コウモリ、サル、野生動物などが最も多くなっています。
それにもかかわらず、日本では、毎年の犬へのワクチン接種を義務付けていますが、猫や、その他の媒介になりえる動物には何の規制もなく、何よりも、輸入動物では、一部の哺乳類以外は、殆ど、検疫のない状態で入ってきています。
ワクチン接種にしても、現状では、100%、国産のワクチンが使われていますが、海外ではもっと進んだワクチンも開発されているようですし、接種方法にしても、集合注射で、大した検査もせずに順番に接種するようなやり方は、危険だと思います。
ワクチン製剤の選別や接種方法、期間、などについても考え直して欲しいところですが、年間200億円以上と言われている狂犬病ワクチンの市場を考えると、利害の問題もあり、海外のワクチン輸入や、毎年の接種の見直しも、難しいかもしれませんね。
犬だけのワクチン接種を強制するよりも、日本に入ってくる動物を厳しく管理することの方が重要ですし、狂犬病の予防に関しては、国の政策として色々な部分で、考え直して欲しいところです。
副作用のことだけでなく、毎年接種することの悪影響などを考えても、別の方法で、予防出来れば良いのですが。
法律で決められていることなので、接種は仕方ないですが、悪影響があることは覚えていてください。
ちなみに、ワクチンの有効期間についてですが、例えば、人間の"はしか"の場合、以前は、一度、"はしか"にかかると、一生かからない病気でしたが、ワクチンの普及にともなって、今後は、一生の間免疫を持ち続けることはなくなると言われています。
それは、"はしか"のワクチンが出来るまでは、実際に、"はしか"のウィルスに感染することで免疫を作り出して、その後は、免疫を持った状態で、再度、"はしか"のウィルスに接触して、免疫を強化、持続していました。
ワクチンの普及にともなって、ウィルスに接触することがなくなってしまうと、一生の間免疫を持ち続けることが難しくなることもあるようです。
そのようなこともあって、はしかワクチンに関しても、一生に2回接種が標準になっているようです。
その他のワクチンについても同じことが言えます。
例えば、伝染病予防の混合ワクチンでは、パルボやジステンバーなどのウィルスは、日常でも接触する機会が多く、最初にワクチン接種で、免疫を作っておけば、その後は、追加接種の必要もなく、一生の間免疫を持ち続けます。
ところが狂犬病に関しては、ワクチン以外にウィルスと接触しないことと、ワクチンの種類も生ワクチンではなく、効果の低い不活化ワクチンですので、免疫抗体としての効力も低く、一度の接種で、一生の間大丈夫とは言い切れないところがあります。
もし、日本で狂犬病が発症したとしたら、3年~5年に1度は接種の必要があると思います。
こういった面からも、現状の国産ワクチンにこだわらずに、安全で有効性の高いワクチンの導入も含めて、考え直して欲しいですね。
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