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三重県ブリーダー破綻から1年あまり (2008/1/15)

 一昨年の8月、三重県で繁殖業者が破綻してしまい、その後始末として、53頭の老犬や、障害を持った犬を、愛護団体の、VOVとワンライフさんとで、協力して、全ての犬に新しい家を見つけることが出来ました。

 あれから、1年余り、全てのワンちゃんのことを把握できているわけではありませんが、少なくても、当ショップの知っている限り、新しい飼い主さんとの充実した生活を送っています。
または、送っていました。

 先日、そのうちの1頭の子が、亡くなりました。
それまでの長い間、ただ、繁殖するために、また、交尾のためだけに狭く汚いケージの中で過ごしていた子が、初めて、散歩の楽しさや、人に甘えることを覚え、新しい飼い主さんに愛されて過ごすことが出来ていました。
 ただ、繁殖屋での暮らしの中で、あきらめること、耐えることを、身にしみて覚えていましたので、いつも、どこかで遠慮する子で、最後の最後まで、どんなことでも、我慢して耐えていたことが、飼い主さんは、不憫で辛く感じていたようです。
 ドンドン、自己主張して、飼い主さんに甘えれば良いのに、それが上手くできない、というより、経験がないんです。
せっかく、全てを受け入れてくれる飼い主さんと巡り合えたのに・・・・・。

 それでも、今の飼い主さんと一緒に過ごせたことが、その子にとっては、最高のひと時で、産まれてきたこと、今の飼い主さんと巡り合えたことを、喜んでいます。
 飼い主さんの悲しい気持ちや無念な思いは、計り知れませんが、それでも、それまでの、長い間の虐待のような苦しい暮らしを、全て、帳消しに出来るほどの充実した1年を過ごし、その子にとっては、最高の一生だったと思います。

 

 同じ繁殖屋からレスキューされた子で、他にも、すでに亡くなってしまったワンちゃんもいますし、今も重度の疾患を持っている子もいます。
三重県のレスキューに限らず、異常な状況から救い出された子にとっては、レスキューされたことが重要なのではなく、その後の暮らしにこそ、意味があると思います。

 レスキュー当初は、犬達の状況を見て、心配していたことも、新しい飼い主さん達が、その子達の状態を全て受け入れてくれたおかげで、「普通のペットの犬」、としての生活を送ることができました。
 その、極普通のことが、レスキューされた子達にとっては、最高に幸せな暮らしです。

 その子達の全ての飼い主さんに「感謝する気持ち」、と同時に、こんな子達がいることに対して、「やりきれない気持ち」・「納得できない気持ち」、また、「怒り」も感じます。

 

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