老犬・老猫との暮らし (2007/5/1)
犬でも猫でも、介護が必要になったら、飼い主さんにとって必ず必要になるのは、「精神力」、「体力」、「経済力」の3つです。
加齢による機能低下に伴って出てくる病気は、重大なことが多く、治療にかかる費用、飼い主さんの心配や負担は想像以上に大きくなります。
特に、犬の場合は、人間や他の動物以上に、色々な病気にかかってしまうという宿命をもっています。
症状が酷くなってくると、真夜中にオシッコやウンコをもらしたり、催促したり、また、痛がったり、急に暴れたり、吠え出したりすることが何日も続いて、飼い主さんは、夜も寝られなくなってしまうこともあります。
最初は、「この子の為なら、どんなことでも、してあげたい」という気持ちでいても、長期間になってくると、「しなければいけない」、という切羽詰った気持ちに変わってきます。
「しなくてはいけない」 ことは、無理しない範囲、出来る範囲でしてあげれば良いと思います。
「してあげたい」 ことは、どんなことでもドンドンしてあげてください。
無理しない範囲で、「してあげたい」ことを充分にしてあげていれば、「しなくてはいけない」と感じていたことも、自然に出来るようになってきます。
大切なことは、どんな状況になっても、落ち着いた、安心の出来る態度で接することです。
飼い主さんの不安な気持ちや心配な気持ちは、必ず伝わります。
自信を持った態度で接することで、ワンちゃん・ネコちゃんも、安心して、落ち着いて過ごすことが出来ます。
深刻な状況のときに、堂々とした態度でいることは、かなりの精神力が必要ですが、影ではどんなに泣いても悲しんでも、彼らの前では、強くて、安心の出来る飼い主さんでいてください。
獣医さんでの治療や、食事、サプリメントなどよりも、遥かに重要なことだと思います。
また、酷い状態にならないためにも、普段の健康管理は、若い頃以上に注意してください。
なんとなく、元気や活力がなくなってきたときに、「老化だから仕方ない」と考えてしまうことが多いと思いますが、落ち着いているのと、元気がないのは全く違います。高齢だからといって、元気がなくなるということはありません。
高齢だからこそ、「してあげたいこと」、「してあげる方が良いこと」は沢山ありますが、「高齢だから仕方ない」、という考え方は、マイナスになってしまうことの方が多いと思います。
「骨や関節が弱ってきているから、広場で飛び回ったり、激しい運動が出来ないのは仕方ない」、とは考えずに、「体に負担のないように、いたわりながら楽しませてあげる」、方が良いと思います。
「老化だから仕方ない」と言う考えは持たないようにしてください。
あと、元気がないように感じるときは、獣医さんで検査を受けて、異常がないとしても、何かの病気の兆候の可能性もあります。
心配な場合は、お問い合わせください。
若い頃のように、元気に走り回ったり、愛想を振りまいたりすることが少なくなってきて、寂しく感じることも多くなってきますが、それでも、色々な物に対する興味がなくなってくる分、必要以上に吠えたり、色々なことを要求することもなく、飼い主さんだけを見つめて、静かに過ごすようになっていきます。
ドッグランで走り回ったりすることは出来ないかもしれませんが、足腰が弱ってきたり、視力が衰えてきたりした子でも、心の中で考えていることは、若い頃と同じで、「一緒に外に遊びに行こう」と飼い主さんに誘いかけています。
歩いて出て行くことが難しくなった場合は、抱っこしてでも、散歩に連れて行って、自然の風や空気を感じさせてあげてください。健康面でも大きな効果があります。
高齢の犬や猫との暮らしも、とても良いものです。
若い頃には感じなかったような別の魅力に気付くことも多くなってきますし、何も言わなくてもお互いの気持ちが理解できるようにもなります。
ある意味で、本当に安定した家族・伴侶になれる年齢と経験を重ねた、ということです。
安心のできるパートナーとして、高齢の子との暮らしを楽しんでください。
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