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動物取扱責任者研修会 (2009/3/8)

 先日、和歌山県の動物取扱責任者研修会がありました。
この研修会は、ペット業界の経営のための研修ではなく、新しい動物愛護法によって指定された動物愛護としての研修です。
 ペットショップに限らず、ブリーダーや動物園など、動物を取り扱っている業者が必ず毎年受講することが義務付けられています。

 今回は、白浜のアドベンチャーワールドの動物の飼育・衛生管理などの話が中心で、その中で、「安楽死」のことにも触れていました。

 質問受付のとき、ひとりの業者の男性から、「うちに居る多くの犬達が年老いて弱っていくのが可哀そうなので、安楽死の方法を教えて欲しい」と質問がありました。

 担当の人 「獣医さんに相談してください」
 男性 「獣医がしてくれないから聞いてるんや。安楽死してくれる獣医を紹介してくれ」
 担当の人「・・・・・」

 担当の人は、返事のしようもなく、困っておられました。
するとその業者の男性は「こんな研修、何の意味もない」と、かなりご立腹の様子でした。

 本当に飼育している犬を安楽死させることを考えているのでしょうか、また、その男性の犬達はどんな扱いをされているのでしょうか。

 その後、保健所からそのことについて書面で回答が届きました。
下記、そのまま掲載します。

 安楽死は、動物の生命を助けることのできない場合、また延命処置は可能でも動物に苦痛を与えることが動物にとって好ましくないと判断された場合等の最終手段としての処置です。
 飼養の基本は、終生飼養となりますが、飼養が困難となったときは新たな飼い主を探すなど、法律に示された適正な飼養と管理方法について必要な説明と理解をして頂くよう法で定めており、命の大切さを訴えていただきますよう併せてお願いします。
 なお、このことについては、「動物の愛護及び管理に関する法律」第2条、第7条、第8条に示されていますことを申し添えます。

 そのとおりだと思います。ただ、出来れば、その時、その場所で指摘して欲しかったです。

 全ての業者がそうではありませんが、ペット業界の中では、愛情をかけることや、優しく扱うことを、「考えが甘い」と言われることが多く、動物に感情を入れずに、普通の物や商品と同じように割り切って扱うことが、ペット業界でのプロという認識があることも事実です。

 確かに、利益を上げ、経営を維持していくということから言えば、利益に繋がらない行為は経営者としては甘いのかもしれません。
それでも、当ショップも含めて、命のある物を扱う立場にある人間は、販売技術、利益追求などの前に、まずは、飼育・習性の専門知識を持ち、命の大切さを飼い主さんにアドバイスできるような、また、何よりも動物に愛情を持っているプロであって欲しいと思います。

 どんなに動物愛護と掲げていても、現状のペット業界では、根底から意識を変えていかないと何も変わらない、ということを改めて認識した研修会でした。

 

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